【知多半島魅力紹介】美浜の塩づくり

四方を海に囲まれた日本の製塩は縄文時代から始まり、海水を土器で煮詰めて塩の結晶を集めていた。伊勢湾・三河湾岸沿いの製塩は瀬戸内や大阪湾岸から伝わり、東海市の松崎遺跡や上浜田遺跡は製塩土器による東海エリアの代表産地だった。
製塩黎明期から存在する知多半島の塩のブランドの歴史を辿るとかなり興味深い。奈良時代に平城京へ地域の特産品(調)として送られていたり、平安時代は東浦町の生道塩が東寺へ供物として納められていたり、江戸時代以降も近年まで塩田跡があった半田市の成岩塩など、塩にまつわる話は尽きない。
平成17年、美浜町の小野浦海岸沿いに流下式枝条架による塩田が復活する。太陽の光と風によって作る近年まで主流だった仕組みだ。濃縮した海水を大釜でじっくり炊き上げ、天日干しをすると、まろやかな旨味の塩が生まれる。
「美浜の塩」は誕生以来、手土産の域を超えて料理人やパン職人らに愛されるロングセラー商品となった。食の旨味を引き出す塩。知多半島の魅力も引き出す頼もしい存在だ。

まずはシンプルに塩むすびや浅漬けでいただこう。塩づくり体験も可能。
知多半島の製塩の歴史は東浦町郷土資料館や東海市立平洲記念館・郷土資料館で詳しく紹介されている。

食と健康の館
「自然との共生」・「食と健康」に関する情報発信をテーマとする新しい体験型観光・製塩施設で、美浜町の代表的な観光拠点となっている。
住所:美浜町小野浦西川1番地
TEL:0569-83-3600
オンラインショップ:http://www.shio-yakata.com/

ココジモコラボ 商品開発室便り
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愛らしい2匹の犬と野間の灯台、定番の「美浜の塩」とは趣が異なるパッケージが誕生した。この「塩船」のディレクター吉田さんは「野間地区は、江戸時代に瀬戸内産の塩を江戸に運んでいた歴史があります。パッケージや商品開発、ワークショップを通じ、知多半島の歴史の新しい伝え方が出来れば」と思いを語る。知多半島の繁栄を支えた廻船の歴史にもワクワクが止まらない。

Step編集室

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