半田に残る洋風のお屋敷 旧中埜家住宅を訪ねてみた

愛知県半田市にある「旧中埜家住宅」は、ちょっとレトロでハイカラな雰囲気が漂う洋風のお屋敷です。重要文化財にも指定されている建物ですが、堅苦しい感じはなく、実際に訪れてみると「わぁ、かわいい!」と声をあげてしまうような、どこか親しみやすい魅力が詰まっています。今回は、そんな旧中埜家住宅の見どころや楽しみ方を、ご紹介します。

 

中埜半六家ってどんな家?

半田といえばお酒や酢の町として知られていますが、その発展を支えてきた旧家の一つが中埜半六です。海運業や醸造業で大きく栄えた豪商で、半田のまちづくりに欠かせない存在でした。その中埜半六が明治から大正にかけて建てた別荘が、この旧中埜家住宅です。日本家屋が多い地域の中で、洋風のお屋敷というのは珍しく、当時の人たちにとってもきっと「モダンでかっこいい!」存在だったのではないでしょうか。

 

旧中埜住宅

 

洋風建築のかわいさに注目

旧中埜家住宅の外観は、左右対称のデザインに大きな窓、そして細やかな装飾が施されていて、とても上品。白い壁と窓枠のコントラストは、ちょっと洋館らしい映画のセットみたいです。写真を撮ると、まるで海外旅行に来たような気分になれるので、カメラ片手に散策するのが楽しくなります。

残念ながら中に入ることはできませんでしたが、建物内は、洋風のお部屋と和風のお部屋が並んでいるとのこと。
洋室には洋家具が置かれ、光がたっぷり入る窓辺でティータイムを楽しむ自分を想像してしまいます。一方で和室は、畳や障子の落ち着いた雰囲気。和と洋が一つの家に同居しているのがユニークで、時代の移り変わりを肌で感じられます。

 

旧中埜住宅旧中埜住宅

 

見どころいっぱいの内部展示

普段、建物の中に入ることはできませんが、一般公開やイベントなどを実施している期間もあります。タイミングがあえば、中埜家が実際に使っていた家具などの重厚な洋家具や、細工の美しい欄間、豪華な襖絵なども観てください。思わず「こんな家に住んでみたい!」と思ってしまうほど。豪商の暮らしぶりをのぞき見できるのも、この住宅ならではの楽しみ方です。

 

半田観光と合わせて楽しもう

旧中埜家住宅は、半田赤レンガ建物やミツカンミュージアムなど観光スポットからも近いので、まち歩きの途中で立ち寄るのにちょうどいい場所です。ちょっと静かな空間で歴史を感じながら休憩するような感覚で訪れると、観光のメリハリがついて楽しいと思います。

周辺にはカフェや和菓子屋さんもあるので、おしゃれな洋館を堪能したあとに甘いものを食べる、なんて過ごし方もおすすめです。特に半田はおいしい和菓子や地元グルメが豊富なので、グルメと歴史を一緒に楽しめるのが魅力です。

 

まとめ

「重要文化財」と聞くとちょっと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、旧中埜家住宅は訪れてみるととても居心地の良い空間です。レトロでかわいい洋風建築と、落ち着いた和の空間が同居するユニークさは、ほかではなかなか体験できないもの。歴史や建築に詳しくなくても、写真を撮ったり雰囲気を楽しむだけで十分に満足できると思います。半田に遊びに行くときは、ぜひ立ち寄ってみてください。ちょっと特別な「ハイカラ体験」ができるはずです。

 

旧中埜住宅

 

旧中埜家住宅
愛知県半田市天王町一丁目30番地の2
重要文化財(建造物)
建築年月日:明治44年(1911年)5月11日
設計者:鈴木禎次
構造形式:木造2階建、スレート葺
https://www.city.handa.lg.jp/bunka/bunkazai/1002774/index.html

住所:〒475-0859 愛知県半田市天王町1丁目30−2

知田絆斗

知多半島の歴史やグルメを探訪し、等身大の視点で綴る案内人。

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