半田市の蔵のまちエリアにある「小栗家住宅」は、2004年に半田市で初めて国の有形文化財として登録され、2022年には国指定重要文化財となりました。
小栗家は江戸時代より「萬三(まんさん)商店」として主に酒づくりを行い、明治以降は肥料商と海運、後に味噌と醤油の醸造を手がけてきた名家です。
現在は貴重な文化財である小栗家住宅を活用した地域活性化に取り組んでいます。
可憐!萬三の白モッコウバラ祭
小栗家の庭には樹齢150年を超える日本最古・最大級の白モッコウバラの木があります。
小栗家の屋号から「萬三の白モッコウバラ」と呼ばれており、2011年には半田市の天然記念物に指定されました。
4月中旬から5月初旬には「萬三の白モッコウバラ祭」が開催され一般公開されています。可憐な白い花が密集して花開き、ふわふわとした美しい光景を見せてくれます。
この季節、小栗家住宅の庭にはほのかに甘く優しい香りが漂います。
自然の造形美、ハート型の蔓をもつ萬三の白モッコウバラ。恋愛成就のパワースポットとしても話題です。
表からはなかなか気付けませんが、年月を重ねてきた蔓には傷みも見られ、慎重な手入れがされていることがうかがえます。 また、「萬三の白モッコウバラ祭」期間中は、住宅内の土間を利用して企画イベントも開催されています。
白モッコウバラ酵母の清酒「愛してる」
モッコウバラから抽出した花酵母を使ったお酒が3年の開発期間を経て誕生しました。
モッコウバラには「初恋」「純潔」「あなたにふさわしい人」という花言葉があること、蔓がハート型をしていることから「愛してる」と名づけられました。
甘口の微炭酸「スパークリング」、純米吟醸の辛口「ドライ」、酒粕と米麹をダブル発酵させたノンアルコールの甘酒「スイート」の3種類があります。
「萬三の白モッコウバラ祭」期間中は現地で購入できるほか、中埜酒造の「國盛 酒の文化館」でも販売しています。
ご近所の「國盛 酒の文化館」へもぜひ!
萬三の白モッコウバラのお酒「愛してる」を販売する「國盛 酒の文化館」は酒蔵を再利用した博物館です。
見学路では伝統の酒づくり工程や道具、半田の歴史などが紹介されています。コースの最後にはきき酒コーナーもあり、気に入ったお酒があれば売店で購入することもできます。
また、毎年12月には知多半島産米を使った生どぶろくの試飲ができる「どぶろくまつり」が開催される他、満席必至の「酒造り体験会」(開催は翌年2月~4月頃)の募集も告知されます。麹室(こうじむろ)にも入れる貴重な体験会、特にお酒好きの方は要チェックです。
■DATA(参考HP)
小栗家住宅https://ogurike.com/
萬三の白モッコウバラと小栗家https://www.handa-kankou.com/feature/mokkoubara/
中埜酒造「愛してる」https://www.nakanoshuzou.jp/aishiteru/