知多四国直伝弘法八十八ヶ所めぐり(2) 巡礼で必要な持ち物と大高エリア編

とうとう知多半島も梅雨入りしました。
しかし、雨の日は参拝する方も少なくなることもあり、
ゆっくりとお寺を巡るには、意外と向いている季節かもしれません。

今回は、知多四国直伝弘法八十八ケ所(この記事では親しみを込めて「直伝弘法さん」と呼びます)を巡る際に、準備しておきたい持ち物をご紹介し、先月訪れた札所のレポートもお届けします。

まずは必要な持ち物の確認をしていきましょう。

四国直伝工房巡りに必要な持ち物の例

納経帳(右)

各霊場でお参りの証として御朱印をいただくための「納経帳」
第一番札所である瑞泉寺さんで手に入れることができました。価格は1500円です。

経本(中央)

八十八ケ所巡りでは読経をします。「お経は難しそう…」と感じるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。
直伝弘法さんオリジナルの経本が用意されているため、つい買ってしまいました。
こちらも第一番札所で100円で購入できました。

納め札(左)

祈願成就を願って本堂や大師堂に納める、小さなお札です。
名前や住所などを記して納めますが、最近では個人情報の観点から、住所を省略する方も多いようです。第一番札所で、200円で購入できました。

お念珠(左上)

仏教女子の必須アイテム、お念珠(数珠とも呼ばれます)。
実はこのお念珠、宗派によって仕立てが異なります。
写真のものは真言宗の「本式」で、珠が108個あるタイプ。
お葬式や法事では、宗派を問わず使える「略式」のお念珠を使うことが多いですね。

お線香と蝋燭(ろうそく)

お参りの最初にお線香と蝋燭をお供えするため、この二つは欠かせません。
お寺によっては用意されていないこともあるので、自分で持参すると安心です。
私は今、線香と蝋燭をセットで収納できる専用ケースを使っていますが、以前はお線香をマーブルチョコの筒に、蝋燭を薄型のプラスチックケースに入れて持ち歩いていました。
折れなければ、どんな入れ物でもOKです!

和袈裟

写真の紫色のものが「和袈裟」です。デザインも豊富で選ぶ楽しさがあり、身につけると自然と気持ちが仏さまに向かいます(なくてもOKです)。

最初からすべて揃えなくても大丈夫。まずは納経帳だけ用意して、気持ちが高まってきたら少しずつ揃えていくのも一つの楽しみです。

お参りの方法

参拝の作法についてですが、写霊場は本場の四国八十八ヶ所と同様の手順を踏みます。

  1. 山門で一礼
  2. 手水で清める
  3. 本堂でお参りまず本堂でご挨拶。
    蝋燭1本とお線香3本を供え、わにぐちを鳴らして仏さまに参拝を知らせます。
    お賽銭を入れ、合掌・読経してお参りします。
  4. 大師堂でお参り次に大師堂(弘法大師をお祀りするお堂)へ。
    本堂と同じようにお参りします。
  5. 納経(御朱印)をいただく
  6. 山門で再び一礼し、退場最後は山門を出たら振り返り心を込めて合唱し一礼して退出します。

ここでは簡単なご紹介にとどめましたが、正しい巡拝の作法や読経の内容については、知多四国直伝弘法の公式サイトや四国八十八ヶ所巡礼のガイドなどに詳しく紹介されています。

本格的に心を込めて巡拝したい方は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

いよいよ出発。まずは名古屋市緑区の大高エリアから

さて、ここからは実際のレポートとして第四番から第六番札所をご紹介します。
なお、第1〜3番札所は以前に巡拝済みのため今回は立ち寄っておらず、再訪できた際にあらためてご紹介したいと思います。

第一〜六番名古屋市緑区の大高のエリアになります。
直伝弘法さんはエリアごとに霊場が固まっていることが多く、それぞれのお寺の距離が近いため、車で無理なく回ることができるところも魅力なのですが、大高エリアはそれぞれが特に近く感じ、読経などをしっかり行っても1日でエリアを巡り終えることができました。

まずはこの日の最初の参拝、第四番の明忠寺さんからスタートです。

 

第四番 大高 明忠院

孝養山 / 曹洞宗(本尊:釈迦牟尼佛)
創建:1573年(天正元年/安土桃山時代 )

実はこの明忠寺さん、Googleマップを頼りに訪れたのですが、
入口がわからず少し迷ってしまいました。

直伝弘法さんの公式サイトに掲載されていた写真を手がかりに、地図と照らし合わせてようやく発見。以下は、参考までに公式サイトより入口のお写真をお借りします。

 

出典:知多四国直伝弘法大師八十八ケ所巡り公式サイト

こちらの坂道を上り、本堂の前に到着…
後から知りましたが、こちらは裏参道となるようで、
別の場所に山門も存在するようです。

本来は山門をくぐって参拝したかったのですが、今回はそのまま本堂前に到着してしまったため、1〜3番を巡り直す際にあらためてお参りし直したいと思います。

敷地内であればどこに駐車してもよいとのことでしたので、他の参拝者のご迷惑にならない場所に停めさせていただきました。

 

こちらは、本堂と同じ建物の左側に併設された大師堂です。

最後に御朱印をいただくため、本堂横の建物のチャイムを押して「直伝弘法巡りでお邪魔しております」とお声がけすると、温かく迎えてくださり、御朱印を押していただきながら仏教の話に花が咲き、和やかな時間を過ごさせていただきました。

チャイムを押す瞬間は緊張しましたが、こうしてお寺の方と直接交流できるのは、地元に根ざした写し霊場巡りならではの魅力だと改めて感じます。

明忠寺は、大正時代に「子供の家」という保育所を開いたお寺で、現在も保育園を運営なされています。窓越しに見える可愛い切り絵に心癒されました。

第四番 明忠院の情報

住所:愛知県名古屋市緑区大高町鷲津5

第五番 大高 東昌寺

日陽山 / 曹洞宗(本尊:聖観世音菩薩)
創建:1666年(寛文6年 / 江戸時代)

第四番の明忠寺から車で約5分ほど走ると、東昌寺に到着。
東昌寺は第六番札所・春江院の末寺にあたり、両寺院は車でわずか1分ほどの距離にあります。

まず目に入るのは、「愚痴聞き延命地蔵尊」と書かれた真っ赤な旗。
今回はお会いできませんでしたが、境内には“いかにも愚痴を聞いてくれそうな”耳の大きなお地蔵様がいらっしゃるそうです。

 

お寺の方から「中に入ってお参りください」と温かく声をかけていただき、お堂の中でお参りさせていただきました。 この日はご家族の法要が行われていたため、写真撮影は控えさせていただきました。

お堂の一角にはセルフで御朱印をいただけるスペースがあり、そちらで押印して巡拝を終えました。

当日は複数のご家族が法要やお墓参りに訪れており、人々の営みを感じつつ、静けさの中にあたたかな雰囲気が感じられる参拝となりました。

第五番 東昌寺の情報

住所:愛知県名古屋市緑区大高町西門田15番地

第六番 大高 春江院

大高山 / 曹洞宗(本尊:多宝如来)
創建:1556年(弘治2年 / 戦国時代)

春江院は水野家ゆかりの寺院で、大高城の城主・水野大膳が父の菩提を弔うために建立したと伝えられています。
山門までの石畳の階段の風景が素晴らしく、格式の高さを物語っている感じを受けますね。

 

本堂や山門をはじめ、書院・茶室・鐘楼・不老閣・庫裏の計7棟が国登録有形文化財に指定されており、その歴史的価値の高さがうかがえます。

境内は広々としており、本堂から少し離れた場所に大師堂がありました。

 

春江院はInstagramやYouTubeでも積極的に情報発信をされています。
参拝前にご覧になると、気持ちがより高まると思いますのでおすすめです。

広い境内をお散歩させていただき、本堂の近くにある納経所の窓口で御朱印をいただきました。

第六番 春江院の情報

住所:〒459-8001 愛知県名古屋市緑区大高町西向山5 大高山春江院
公式サイト:https://shunkouin.com/shunkouintowa/
Instagram:https://www.instagram.com/shunkouin375/
Youtube:https://www.youtube.com/@shunkouin/featured

城下町の面影をたどる、
大高エリアの四国直伝弘法巡拝

大高エリアは、かつて大高城があった場所であるため、お城を守るように寺院が点在しており、城主ゆかりの由緒あるお寺も多く歴史の深さを感じることができました。細く入り組んだ道も、城下町だった名残なのかもしれませんね。

本日巡った3つの札所のエリアには、神の井酒造、山盛酒造などの酒蔵も存在し、熱田神宮の摂社「氷上姉子神社」もあります。巡拝の合間に立ち寄って土地の魅力に触れるのも楽しいですね。

今回は歴史に触れ、地元をもっと知りたくなるような巡拝となりました。
次回は第七番の「東光寺」さんから始まる大府エリアのレポートです!
またお付き合いいただけたら嬉しいです。

ガナパテ子

一人旅とカレーが好きです。知多半島のお寺を巡拝中

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