【知多半島情報誌「Step」特集】
やっぱり♡イチゴ

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ハウスイチゴの美味しい季節です。イチゴ狩り、イチゴスイーツ、楽しいシーズンですね。
イチゴはひとつの株からたくさんの子株を増やし、実をならすという意味で「母」の文字が使われたと言われています。

日本のイチゴの品種は約300種類と言われていますが、そのルーツは明治33年(1900)に、オランダイチゴの栽培品種の実生を選抜して出来た国産苺第1号の「福羽イチゴ」です。「新宿植物御苑」(現新宿御苑)で栽培され、当時は皇室献上用で「御苑イチゴ」や「御料イチゴ」とも呼ばれ、門外不出の果物だったそうです。その後、大正時代に促成栽培用の高級品種として全国に普及。日本で食べられている多くのイチゴが「福羽イチゴ」から品種改良された賜物と言われています。
愛知県のイチゴの出荷期間は、概ね11月~5月。冬場の日照量が多く、糖度の高いイチゴの生産が可能なことから全国4位の収穫量を誇ります(※1)。
県内で広く栽培され、主流は「章姫」、「紅ほっぺ」、「ゆめのか」、「とちおとめ」の4品種です。
知多半島はイチゴ狩りが盛んで、栽培品種のバリエーションが豊か。「よつぼし」、「かおり野」など珍しい品種に出会えることもしばしばです。こちらは行ってからのお楽しみですね。

愛きらり®
愛知県産イチゴ第2号は令和5年(2023)に品種登録された「愛きらり®」(品種名「愛経4号」)。約5年の歳月をかけて作られた品種です。大きくきれいな円錐形、濃い赤色で、高糖度が特徴です

ゆめのか
愛知県産イチゴの第1号は平成19年(2007)に品種登録された「ゆめのか」。甘みと酸味とのバランスがよく、風味のよい甘酸っぱさ、程よい硬さが特徴です

参考HP:JAあいち経済連、農林水産省、一般財団法人国民公園協会 ※1.出典:農林水産省令和4年産野菜生産出荷統計、生産農業所得統計

イチゴの真実 その1「イチゴはバラ科」

イチゴはサクラ、ウメ、モモと同じくバラ科です。バラ科の果実はリンゴ、サクランボ、モモ、プラム、ナシ、洋ナシ、ビワ、アンズ、ラズベリー、ブラックベリー、カリン、マルメロなど。花の形や構造に共通する特徴を持っています。

イチゴの真実 その2「果物になろうとしている!?」

園芸学では、木の実(木本性)は果物(果樹)とされ、草の実(草本性)のイチゴは野菜です。果物のように食べられることから「果実的野菜」とも呼ばれます。イチゴの平均糖度は10度前後ですが、なんと平成28年に品種登録された「あまりん」の糖度は18~20度!ブドウ並みの甘さを実現しました。

イチゴの真実 その3「つぶつぶが果実」

イチゴの甘い部分は、茎の先端の花床(かしょう)が膨らんだ偽果(ぎか)で、果実ではありません。果実はと言えば表面にある〝つぶつぶ〟です。つぶつぶの中には種が入っています。イチゴのように、200個から300個の果実が集まって一粒の果実に見えるのを「集合果(しゅうごうか)」と呼ばれます。(図1参照)

イチゴの真実 その4「イチゴ新時代『よつぼし』」

国内で初めて実用化された種から育てることができるイチゴの新品種「よつぼし」です。通常は親株から伸びるランナーを利用して子苗を作り栽培しますが、親株から病害虫を受け継ぐリスクや子株を増殖する手間などがありました。種から育てることで解消に繋がると期待されています。「甘味」「酸味」「風味」「美味」が揃って「よつぼし(四つ星)」級においしい、という意味が込められています。

よつぼし

(写真提供:三重県農業研究所)


イチゴの実がなるまで

厳しい残暑はイチゴ栽培にも影響が大きいと言います。需要が高まる12月に実をならせるために成育環境を検討したり品種改良などをしながら栽培を工夫しています。常滑市内のイチゴ農園でイチゴの実がなるまでを追ってみました。

1 つぼみが出来ます

2 花が咲きます
ここでミツバチが大活躍!ミツバチは蜜を求めて花から花と移動します。体毛についたおしべの花粉がめしべにかかり受粉します

3 花びらが散って花床(花托)だけになります

4 段々膨れてきます
イチゴらしくなってきました

5 先端から赤く色づいてきます

6 食べ頃になりました


成長の段階がよく分かります

個性豊かな大物も

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イチゴ狩りスポット

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