愛知県でブドウといえば、東浦町と大府市!どちらも県内トップクラスのブドウの名産地で、気温が高く日照時間も長いため、全国でもひと足早くブドウが楽しめるのが魅力です。
東浦町では昭和35年頃から栽培が始まり、昔ながらの種あり巨峰をはじめ、最近人気のシャインマスカットなど、今では20種類以上のブドウが育てられています。「あいちのぶどうコンテスト」でも毎年多数の入賞があり、味も折り紙付きです。
一方、大府市では戦後、「早川ぶどう園」の早川進三さんが巨峰づくりを広めたのがきっかけで、大府全体にブドウ栽培が広がりました。最大の魅力は、多彩な品種が揃うこと。それぞれの生産者がこだわりを持って育てたブドウは、香りや甘さ、酸味、皮の食感まで個性豊かです。
シーズン中は直売所やブドウ狩りも楽しめるので、ぜひお気に入りのブドウを見つけてくださいね!

知多半島北部エリアはブドウの名産地!
参考資料/愛知県のぶどう・いちじく生産の概要 https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/525505.pdf
実りの夏、ブドウ畑から甘い便り

石田農園4代目の石田孝太さん
瑞々しい味わいの「巨峰」
名産の巨峰の美味しさの秘密を探ろうと、栽培の真っ最中である石田農園を訪ねました。
こちらの農園は、デラウェアや巨峰の栽培がまだ珍しかった時代から続く、四代続くブドウ農園です。今の時期は、房作りや種なしにするための処理、そして味を左右する大切な「摘粒(てきりゅう)」という作業中。今回、その作業の様子を見せてもらいました。
「摘粒というのは、ブドウの粒の数を制限して房の形を整える作業です。この作業でほぼ房の形が決まるので、気が抜けません。一房ずつ丁寧に手をかけるのは大変ですが、瑞々しいブドウを育てるにはこの手間を惜しみません」と石田さんは教えてくれました。
この後、袋かけや雨除けを施しながら、大切に育てていきます。
「今は種なしが人気ですが、実は昔ながらの種あり巨峰も、農家はこだわって作り続けているんですよ。タネの周りには旨みの層があって、コクがあるんです」と、石田さんは微笑みます。



ジベレリンは植物ホルモンの一種で、成長や開花、結実などを調整します。ブドウでは、種無しの大きな果実を作るためにジベレリン処理が行われます。
ブドウの1年を知ればもっと味わい深くなる
ブドウの1年は、冬の剪定から始まります。剪定は、翌年の実りを左右する重要な作業です。春になると、芽吹いた新芽を間引き、枝を誘引しながら、ブドウの花が咲くのを待ちます。花が咲き、散る頃には初夏の訪れです。
花が散った後は、実の成長に合わせて房作りや種なし処理、粒の数を整える「摘粒」を行います。これにより、粒の大きさや甘み、酸味のバランスを調整します。その後、袋かけや雨除けを施していきます。
色づき始めると、7月下旬から収穫の準備が整います。甘みと酸味、粒の大きさがバランスよく整ったものから順次収穫され、旬の味覚を楽しめます。今年は順調に成育しており、瑞々しい完熟ブドウを味わえるのももうすぐです。
ブドウの栽培は、自然のリズムとともに丁寧に手をかけて育てられます。その過程を知ることで、より一層味わい深く、楽しむことができるでしょう。

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石田農園
東浦町森岡一ッ池1-92 ☎︎0562-83-4521
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東浦産シャルドネワイン 夜に収穫、朝には仕込み。ブドウの魅力をそのまま
東浦町の原田正徳さんが、耕作放棄地を開墾し、世界中で最も栽培されている白ワイン用ブドウ品種「シャルドネ」を植えたのが数年前。2024年、東浦町産ブドウ初のシャルドネワインが誕生しました。
ブドウの鮮度と香りを最大限に活かすため、収穫は涼しい夜に行う〝ナイトハーベスト〟。夜のうちに丁寧に摘まれたブドウは、そのまま朝には三重県の醸造所へ。ブドウの劣化を極力防ぐことで、繊細な香りと爽やかな酸味がしっかりと残ります。
約1年の醸造を経て生まれたワインは、軽やかでクリーンな飲み口。ほんのりとした果実味が口に広がり、和食にもぴったり寄り添ってくれます。

masa wines shop 園主の原田正徳さん「栽培は生垣のように仕立てます」

シャルドネについている野生酵母で発酵醸造されます。
亜硫酸塩(酸化防止剤)無添加、加糖なし、無濾過です。

Chardonnay2023爽 750ml
端麗な味わいの飲み口は口に含むとほのかな甘みと爽やかさ、心地よい苦みがバランスよく仕上がっています。キンメダイの西京焼きと好相性。(撮影協力:あいち健康の森プラザホテル レストラン花の木)
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