やきもの散歩道 

常滑焼の歴史と黒いスズメ

日本六古窯のひとつである常滑。常滑焼のはじまりは平安時代末期で約千年の歴史をもっています。また常滑焼の良質な粘土は650~100万年前に愛知・三重・岐阜にわたり存在していた巨大湖「東海湖に堆積した土と言われています。 

江戸時代末期には登窯が登場し、土管や朱泥茶器がつくられるようになりました。さらに明治・大正時代に入ると土管やタイルなどの一大産地として成長、LIXIL(INAX)が創業したのも常滑の地です。 

窯が密集していた昭和初期には常滑の街には煙突が400本ほどもあったとされ、もくもくと立ちのぼる煙に「常滑のスズメは黒い」と言われたというのは有名な話です。 

訪れるたびに新たな発見がある散歩道

やきもの散歩道まちなみ

散歩道Aコースは陶磁器会館をスタート地点に1.6㎞の路地散策が楽しめます。常滑焼の工房はもちろん、作家作品を取りあつかう雑貨店や飲食店などが点在し、近年は個性的なカフェも増えています。
有名な土管坂は道沿いの壁に焼酎瓶がびっしり、地面には土管の焼成時に使うリング状の焼台が敷きつめられ、唯一無二の雰囲気を醸しだしています。
他にも10本の煙突をもつ登窯に、全国のアーティスト作品を紹介販売する登窯広場展示工房館など見どころは尽きません。
どこを切り取ってもフォトジェニックなやきもの散歩道は日々進化しつづけています。 

街を見守る猫たち

やきもの散歩道昔の風景

招き猫の生産日本一の常滑。名鉄常滑駅から陶磁器会館に向かう道はとこなめ招き猫通りといい、個性豊かな39体の「御利益招き猫」に会うことができます。若手作家39名が手がけたもので求める御利益の猫と一緒に写真を撮ると願いが叶うかも…しれません。
また、壁の上部には街を見下ろすように巨大な招き猫「とこにゃん」がいて、夜にはライトアップされた姿が見られます。
コロナ禍での医療従事者への感謝を表す青や、世界アルツハイマーデイにはオレンジにライトアップされました。人々の営みを見守るとこにゃんにもぜひ注目してみてくださいね 

アニメ映画に見る散歩道

アニメ映画に見る散歩道

やきもの散歩道を舞台に描かれた「泣きたい私は猫をかぶる」はスタジオコロリド制作のアニメ映画で、動画配信サービスNetflixで配信中です。ノスタルジックな街の雰囲気とファンタジーが融合したちょっぴり切なくて心温まる物語です。
美しく色鮮やかなアニメーションとなって映し出される散歩道の風景や、志田未来さん、花江夏樹さん、山寺宏一さんら豪華声優陣によるアニメキャラクターにワクワクがとまりません。
作品を見てから散歩道を訪れるもよし、訪れてから見るもよしです。 

DATA(参考HP
とこなめ陶の森https://www.tokoname-tounomori.jp/ 

常滑市公式観光サイトhttps://www.tokoname-kankou.net/ 

登窯広場展示工房館https://kobokan.jimdofree.com/ 

映画「泣きたい私は猫をかぶる」公式サイトhttps://nakineko-movie.com/ 

住所:愛知県常滑市栄町4丁目 やきもの散歩道

こいものおばさん

知多半島在住20年目。
まだまだ観光気分が抜けない大阪出身のおばちゃんです。
ゆるゆるとおくる日々の中で見つけた、知多半島の魅力をお伝えしていきたいと思います。
若干、気持ちが“おいしいもの”に偏りがち。

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