源氏物語の世界に浸れる和旅館
源氏香 

​​源氏香は源氏物語の世界をコンセプトとした旅館​

「ゆっくり温泉旅行へ行きたい」
友人の希望も踏まえ、のんびり過ごせそうな旅館『南知多温泉郷 源氏香』へ宿泊しに行きました。
こちらのコンセプトがとても面白かったため、ご紹介します。 

源氏香は、その名から連想されるとおり「薫り×源氏物語」の世界観をコンセプトにしています。
薫り豊かなお香と源氏物語をイメージした空間づくりにこだわっている他、館内では平安貴族の気分に浸れるイベントや体験なども楽しめます。
「源氏香」の意味については、のちほど詳しくご紹介します。 

 

​​『3密軽減!コロナ対策安心・安全プラン』を予約​

今回は、コロナ対策を徹底しているというプランを選択しました 

”こちらのプランは極力スタッフによるお部屋の行き来や、料理配膳の回数を減らし”密” の軽減に着目したものです。”

通常よりもスタッフさんとの接触が少なくなるよう変更されたプランになっています。そのため部分的にサービス内容が簡素になっているところがあるためか、スタンダードなプランよりも安価で宿泊することができました。 

​​源氏香について​

全部屋が源氏物語の巻名 

 

源氏物語の世界に浸れる和旅館・源氏香

客室はもちろん、ラウンジや食事処、温泉まですべてが源氏物語の巻名になっています 

 

源氏物語を体感できる館内の内装 

 

 ロビーでは源氏物語の本を借りられたり、廊下に源氏物語や紫式部についての知識を紹介する展示物があったり、源氏物語について造詣を深めることができるつくりになっています。今回は宿泊しませんでしたが、源氏物語の世界観をより追求したデザイナーズルームも存在するそうなので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。 

 

チェックイン 

 

チェックインは16時だったのですが、1時間前と早めに到着してしまいました。そのまま近場へ外出するため「一時的に車だけ駐車させてもらえないか」と尋ねたところ、「既にお部屋が準備できているので、そのままチェックインもできますよ」とご案内いただけました。
もちろん本当は時間通りに行くべきではありますが、とても嬉しい配慮でした。 

ちなみに、3密軽減プランは接触を防ぐため、自分で荷物を部屋まで運ぶ形でした。このように一部のサービスがない、というところで価格的な差があるのだろうと思います。 

 

ラウンジにてウェルカムドリンクの抹茶とお茶菓子を堪能 

 

チェックインをすると、ラウンジにて抹茶とお茶菓子を味わえます。抹茶は甘くありませんが、比較的苦味が少なく飲みやすい印象を受けました。お茶菓子はお餅の中に餡子の入った和菓子でした。 

 

コーヒーマシンは時間限定で無料 

 

ラウンジにはコーヒーマシンが置いてあり、モーニングコーヒー(紅茶も可)をサービスでいただけるようです。上記の時間外は1杯500円でコーヒーが飲めます。 

 

色浴衣を選んでお部屋へ 

 

ロビーには色とりどりの浴衣が並んでおり、女性は好きな色浴衣と帯を選べます。浴衣の腰紐も借りられますが、こちらはぜひ2本ほど持っていくことをおすすめします。こちらの色浴衣は丈が長いため、長さの調整が必要になるのですが、身長が167~168cmと比較的高めの私たちでも「2本あったほうが良かったかな」と感じました。 

 

自販機で24時間ドリンク購入可 

 

ロビーの奥には自販機があり、ソフトドリンクの他氷結やビールなどのお酒が売っています。外まで行かなくても24時間購入できるのはありがたいですね。 

 

914号室『蜻蛉』へ宿泊 

 

畳張りの綺麗なお部屋です。参考までに、蜻蛉の巻がどのようなお話だったかあらすじを書いておきます
(※私は源氏物語について全くの素人のため、複数文献参照の上、自身で要約を行っております。細かな解釈違い等ございましたら、ご了承ください)
 

 

源氏物語『蜻蛉』(第三部「宇治十帖」第8帖)のあらすじ 

薫と匂宮が想いを寄せる浮舟が突然失踪した。2人の板挟みになっていたという事情を知る侍女たちは「悩んだ末に川へ身投げしたのだろうか」と推理しつつ、葬儀がひっそりと執り行われる。浮舟の死に落胆と懐疑を持つ薫と匂宮は、お互いに胸中を探り合いながらそれぞれ事の真相を知るため侍女に説明を求めていくが、今一つ納得ができないことも多い。やがて、薫が侍女から事の真相を聞き出した。浮舟を宇治に置いてきたことへの自責の念に駆られ丁寧に法事を行うが、法事が終わった日、薫は妻である女二宮の姉・女一宮を垣間見て好き心を燃やしてしまう。妻・女二宮とは姉妹ながらまったく美貌が似ていないが、妻に女一宮と同じ衣装を着せ身代わりとするなど、女一宮にすっかり夢中になってしまった。また薫は、東宮妃となるべく育てられ、かつては縁談もあった故式部卿宮の姫君(宮の君)が今や女一宮に出仕している状況に同情しながらも、関心を持ち始めていた。その一方で宇治の姫君たちを忘れることもできず、夕暮れに飛び交う蜻蛉を眺めながら、亡き女君(大君・中の君・浮舟)たちを追悼する 

 

​​『蜻蛉』のお部屋紹介​

お香をとことん楽しめる そもそも源氏香とは?​

ところで、旅館の名前にもなっている「源氏香」の意味をご存知でしょうか。源氏香とは、
香の香りを聞き当てる遊びのことです。詳しいルールは以下です。 

 

源氏香の遊び方 

  1. 5種の香を5包ずつ、計25種用意する
  2. ここから自由に5包抜き出し、順番に焚いていく
  3. 客はこれを聞き、右から順番に縦線を引く。同じ香理の場合は横線でつなぐ
  4. できた図形が示す「源氏物語の巻名」を答えとし、正解数を競う

答えとなる組み合わせは総数52通りで、それぞれの図形には源氏物語54帖のうち、最初と最後の巻名である「桐壺」「浮舟」を除いた52帖の巻名が名付けられています。 

 

源氏香の図『蜻蛉』の場合 

 

 

※画像はhttps://www.benricho.org/kamon/Genjikonozu_download/より拝借

 

右から順番に第1香、第2香…と第5香まで続きます。1香目と5香目、2香目と4香目が同香であった場合に、この「蜻蛉」が答えとなります。 

 

各部屋には、この源氏香になぞらえて5本の香が用意されているようです。同じ香のお香が重複してしまうためか、香りの組み合わせ自体は部屋に対応していないようですが、香りを重視した宿らしい遊び心と心遣いを感じられます。 

 

大きな窓から臨めるオーシャンビュ 

 

残念ながらこの日は曇っていますが、晴れていれば綺麗な海が臨めそうです。
ぜひ訪れたら、綺麗な夕焼けや朝焼けを見たいものですね。 

 

浴衣の着方が分からなくても安心 

 

レンタルできる色浴衣とは別に、就寝用の浴衣も置いてあります。着方が分からない人用に動画のQRコードが置いてありますので、参考にしてみてください。
ただし、慣れていなければ着るのに少し手間取る&気崩れやすいので、万一不安な方は念のためパジャマなどを持参いただくことをおすすめします。 

 

食事の間に布団を敷いてくれる 

 

敷布団タイプのお部屋ですが、食事の時間にスタッフさんが布団を敷いておいてくれます。
カバンや貴重品、その他荷物の管理はあらかじめ行っておくようにしましょう。 

​​和食処『澪標』の夕食・朝食​

夕食・夜食 

 

3密軽減プランは、スタッフさんの食事運搬回数を減らすために御重で料理が提供されます。その分どうしても料理が冷めやすい点と、料理説明がなかった点が少し残念でしたが、その分他プランより料金が安めではあるので、一長一短かなと思います。料理にこだわりたい人は他プランの利用をおすすめします。個人的には、お品書きを紙でもらえるとより嬉しかったなと思いました。
一方で、スタッフさんとの接触が少ないため、半個室ながらもプライベートな空間を楽しみやすいというメリットはあります 

ちなみに、ドリンクは有料でチェックアウト時に清算となります。アレルギー食材があれば有料で変更可能だそうなので、不安な方は予約の時に相談してみてください。 

 また、夜食用にとお稲荷さんをサービスでいただけました。一口サイズで食べやすい稲荷寿司が2つ入っており、美味しかったです。 

 

 

朝食

 

 

個人的には、朝食の方が美味しいと感じました。焼き魚や味噌汁など魚介の旨味を満喫できる品目も充実していて、満足度が高かったです 

​​2種類の温泉​

雲上露天風呂が10階、内風呂が8階にあります。男性と女性で風呂の名前が異なり、女性用は露天風呂「伏見の湯」、内風呂「薄雲」。男性用は露天風呂「伊勢の湯」、内風呂「浮舟」があります。たまに、露天風呂に洗い場がない旅館やホテルなども存在しますが、源氏香は露天風呂と内風呂の両方に洗い場があるため、お好きな方または両方入っても問題ありません。 

 

風呂上りにお水やアイスキャンディーのサービス 

 

10階の湯上り処にはウォーターサーバーが設置されており、お風呂上りに冷たいお水を飲むことができます。また、その隣にはアイスキャンディーが置いてあり、無料で食べることができます。 

 

楽しい遊びや体験教室も 

・投扇興
・打掛着用体験
・聞香教室 

など、旅館の世界観を一層楽しむことができる体験や遊びなどもあります。
私たちは今回利用しませんでしたが、ぜひこちらも検討してみてはいかがでしょうか。 

​​まとめ​

今回は平日に宿泊したためか、私たち含めて2組ほどの利用客でとてもゆっくり過ごすことができました。土日には混み合う可能性もありますので、可能な方は平日のほうがゆったりと過ごせるのではないかな、と思います。3密プランの良し悪しは「何を重視するか」によって異なるため、ぜひ条件を見比べながら検討してみてくださいね。 

 

スポット概要 

南知多温泉郷 源氏香
愛知県知多郡南知多町大字山海字屋敷103
TEL:0569-62-3737(10:30~18:30)
駐車場:あり(無料)
無料送迎バス:あり(名鉄「河和駅」から)
(2023年4月現在)

URL:https://genji-koh.kaiei-ryokans.com/ 

住所:愛知県知多郡南知多町大字山海字屋敷103

ウミ

「非日常感が生きるスパイス!」 をモットーに、美味しいものとお気に入りのスポットを探しています。知多半島で実際に訪れた場所をありのままご紹介していきます。

https://okamotrip.com/

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