【知多半島情報誌「Step」特集】
こねておいしい〜米粉と小麦粉、地粉の食べ比べ〜

その土地で育ち、その土地で製粉された風味豊かで味わい深い「地粉」に注目してみました。
小麦粉と同じ細かさの微細粒の米粉が増え「地粉」のバリエーションが増えました。
米粉は使ってみるとほんのり甘く、程よいもっちり感。
うまみを引き出すこねる料理で味わってみませんか。

米 粉

 
昔から親しまれるおやつに大活躍
米粉は普通に炊く米「うるち米」から出来るものと、餅用の「もち米」から出来るものがあります。うるち米の米粉は「上新粉」と呼ばれ、だんごや草餅などに使われます。もち米の米粉は「もち粉」と呼ばれ大福などに使われます。お米の甘さを味わえるもっちりした食感がいいですよね。
 
米粉の新時代
米粉を使ったパンやスイーツを見かけるようになりましたが、これは製粉技術が上がり、粒の大きさが小麦粉と同じくらいの大きさに製粉が出来る様になったからだそう。ふんわり軽い食感のスイーツなどにも使われることが多くなっているので、お米のイメージが変わっていきそうです。
 
米粉が出来るまで

 

【精米】


【製粉】


【水分調整】


【米粉の出来上がり】

地元のお米でパンやスイーツを
常滑市で米農家を営むSUN魂ファーム中野さんは、人気の大粒品種のあいちのかおり「太らせ上手」を微細粒の米粉にしています。「出来るだけ農薬を使わず出来たこのお米でパンを作りたいというお声をいただいて商品化しました。吸水率が低いのでサラッとしているのが特徴です。パウンドケーキやクッキーにしてもさっくり美味しく出来ます。地域の特産品が生まれてくると嬉しいですね」。

米粉のみで作るパンとパウンドケーキがこちら。
コツさえ掴めば家庭でもできるそうです。
 

米粉のパン

米粉のパウンドケーキ

あいちのかおりの米粉(微細粒)1㎏1,080円


取材協力
SUN魂(さんたま)ファーム

常滑市市場町4-172/0569-34-4968

 

SUN魂ファーム代表
中野勝元さん

小麦粉

 

 
愛知県で小麦の栽培が増えています
「きしめん」「味噌煮込みうどん」など愛知県特有の麺文化に合う小麦の品種改良が進み、おいしい麺が出来る「きぬあかり」が誕生しました。その後パン用品種「ゆめあかり」も加わり、その豊かな味わいに人気が高まっています。県内の主な産地は西尾市、安城市など。6月頃一面に広がる黄金色の麦の穂が見られます。

知多半島産小麦の美味しさ
数は少ないですが知多半島でも小麦の栽培が行われています。自家栽培、自家製粉の小麦粉を衣にして揚げた「豚肉の天ぷら」が人気という知多市の利興へ伺いました。ご主人の森田さんは「お米も自家栽培していますが、小麦にも興味が湧いて栽培し始めました。小麦は表皮が硬いので何度かふるいにかけてからようやく使えるようになりますが、自分でやってみるとその工程の多さに驚きます。現代の製粉技術の高さもよく分かりました(笑)」。

小麦粉が出来るまで


【選別】


【精麦】


【製粉】


【ふるう】
 

表皮を割って胚乳と呼ばれる中の部分を「粉砕」と「ふるい」を繰り返して細かくしていきます。ふるいの目をどんどん細かくしていけばきめの細かい小麦粉になります。

 

仕上がった小麦粉の持ち味の弾力を生かして、豚肉に厚衣を纏わせて揚げます。衣のさくっとした歯ごたえが小気味よく、地粉の美味しさが際立ちます。

愛知県産農林61号 小麦粉 荒挽/500g 345円
利興にて店頭販売があります。


取材協力
中華 利興・農家 利興

知多市大興寺落田8-1/0569-43-1140

 

料理人でもあり農家でもある

森田晃史さん

Step編集室

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