昔ながらの雰囲気が漂う「山喜うどん」

愛知県大府市にある「山喜うどん」さんへ行ってきました。昔ながらの佇まいが残る自家製麺のお店で、地元の方から長く愛されている雰囲気が漂っています。店内に入るとまず目に入るのが、土壁の落ち着いた内装。どこか懐かしさを感じさせる空間で、初めて訪れたのに不思議とほっとするような温かみがありました。

 

看板メニューはうどん。でも名古屋といえばきしめん

「山喜うどん」という店名の通り、うどんが看板メニューではあるのですが、名古屋圏といえばやはり「きしめん」も外せません。せっかくなら名古屋らしい味を楽しみたいと思い、この日はきしめんの大盛りと天ぷらを注文しました。

 

「天きし」として提供されるスタイル

注文してすぐに、運ばれてきたのは白い丼に入った「天ぷらきしめん」。実は、メニュー表には「天ぷらきしめん」という表記はなく、天ぷらときしめんを別々に頼むスタイルなのですが、提供時には最初から天ぷらが丼にのった形で出てきます。つまり通称「天きし」として提供されるのです。こうしたローカルな感じが、またいいですね。

 

丼の中を覗くと、ほうれん草とたっぷりのネギが目に入ります。具材はシンプルながら彩りがよく、見た目にも食欲をそそります。

主役の天ぷらは、かき揚げタイプ。玉ねぎと小エビが入っていて、サクサク感よりもしっとりと出汁を吸い、麺と絡めて食べやすい仕上がりになっていました。天ぷら自体も大きすぎず、きしめんとの相性の良いサイズ感。嬉しいポイントです。

厚みのあるきしめんと出汁のハーモニー

そして、肝心のきしめん。こちらのきしめんは「ぺらっとした薄い麺」ではなく、しっかり厚みがあり、もちっとした食感が特徴的でした。食べ応えがあり、つるっと喉越しがよく、大盛りにしたことを後悔しない満足感がありました。

 

出汁は優しい味わい

出汁は、優しいのに深みのある味わい。濃すぎず薄すぎず、ちょうど良い塩梅で、飲むほどに身体がじんわり温まります。醤油の香りがしっかりと効いているのに角がなく、最後まで飽きずに飲み干してしまうほど。シンプルな具材や厚みのある麺と、この出汁が見事に調和した一杯でした。

 

食べている途中から、ほうれん草とネギの存在感もじわじわ効いてきます。こちらのお店では、どうやら「きしめんにはこの2つ」がデフォルトのようです。青菜の爽やかさとネギの香りが、出汁と天ぷらの旨味をより引き立て、食べ進めるごとに全体のバランスが完成していく感じがしました。

まとめ

「山喜うどん」さんは、派手な装飾や流行を追ったメニューがあるわけではありません。けれど、自家製麺の確かな美味しさと落ち着いた空間が心地よく、まさに日常に寄り添う食堂といった存在でした。うどん好きはもちろん、名古屋名物のきしめんを味わいたい方にもおすすめできるお店です。

大府市を訪れた際には、ぜひ「天きし」を一度試してみてください。厚みのある麺と優しい出汁、天ぷらの旨味が三位一体となった一杯に、きっと満足できるはずです。

 

山喜うどん
〒474-0026 愛知県大府市桃山町３丁目１０５
電話：0562-47-3845
営業時間：10時00分～19時30分
定休日：木曜日
駐車場：有