阿久比町の隠れ散歩スポット「箭比神社」

はじめに

前回、前々回と半田市の隠れ散歩スポットを紹介させていただきましたが、今回は番外編!
隣町の阿久比町からご紹介させていただきます!
前回→「任坊山公園&宮池」
前々回→「長泥の径」

それではどうぞ!

箭比神社

箭比神社(やひじんじゃ)は阿久比アピタの近く、林の中にひっそりと佇む神社です。
大通りから少し離れた場所にありながら、自然に包まれたその環境はとても静かで落ち着いています。

入り口には看板が設置されており、そこにはこの神社がとても長い歴史を持っていることが記されています。
地元の人々にとって長く親しまれてきた場所であることが伝わってきます。

その看板には、興味深い言い伝えも紹介されていました。
「赤い鳥居をくぐると“おこり”(熱病)にかかる」というのです。まるで何かの試練のような、不思議な伝承に一瞬たじろぎますが、それもこの神社の持つ神秘性をより一層高めています。
何気なく立ち寄ったつもりでも、こうした逸話を目にすると、自然と気持ちが引き締まります。

この日は小雨が降っており、辺りの空気はひんやりとしていてとても心地よく、歩くにはちょうどいい天気でした。
ただ、足元が滑りやすくなっているので、ゆっくりと慎重に歩を進めていきます。濡れた葉の匂い、小さな雨音、そして静けさの中に響く自分の足音が、まるで林全体に歓迎されているかのように感じられます。

最初の階段を登ってすぐ、例の「赤い鳥居」が視界に飛び込んできました。
こんなに早くご対面するとは思っていなかったので、思わず足が止まってしまいました。
先ほどの言い伝えのこともあり、鳥居の中を通るのは避け、右側の小道へとそれて先へ進むことにしました。

しばらく進んだところで、小さな祠が現れました。
それは、まるで森の中に隠されていた秘密の場所のようで、苔むした石や木々に囲まれ、どこか現実離れした静謐な空間を作り出していました。
何の祠なのか、誰を祀っているのかはわかりませんでしたが、思わず手を合わせたくなるような、不思議な引力を感じます。

そして、歩き始めてわずか5分ほどで山の頂上にたどり着きました。
木々がたくさん生い茂った道でしたが、思ったよりも気軽に訪れることができます。

しっとりと濡れた景色もまた趣がありましたが、紅葉の季節に来れば、また違った彩りと雰囲気が楽しめることでしょう。
次回は秋の晴れた日に、あらためて訪れてみたいと思わせてくれる、そんな素朴で魅力的な神社でした。

住所:〒470-2215 愛知県知多郡阿久比町矢高石根37

Nowhere Man

半田市生まれ
趣味:エレキベース・読書など

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